「染色体」「ゲノム」「DNA」「遺伝子」「ヌクレオチド」の違いについて解説しています。
講義スライドのPDFはこちら!
遺伝子治療やiPS細胞、遺伝子組み換え食品やウイルス、PCR検査等で必ず出てくるキーワードをわかりやすく説明しています。
文系の方、仕事で知識が必要な社会人、小学生・中学生・高校生でも予備知識なく理解可能です!
1.”染色体”や”DNA”の関係を本で例えると…
遺伝子関連のキーワードを本に例え、
染色体 → 本の材料すべて(物質としての視点)
ゲノム → 本のあらすじ(内容(情報)としての視点)
遺伝子 → 文章1つ1つ
DNA → 単語1つ1つ
ヌクレオチド → 文字1つ1つ
と考えるとイメージしやすいかもしれません。
同じような内容を指しているのに、用語を使い分けなければなりません。
これらのキーワードがわかりにくい理由は、言葉の意味が時に拡大解釈されてしまうからに他なりません。
たとえば
❶「わが社の物作りDNAを後世に伝えたい」
みたいな文章が会社紹介によくありますが、
『DNA』はヌクレオチドが集合してらせん状になった巨大分子の名称であり、”食塩” とか ”水酸化ナトリウム” と同じようにただの物質名です。
上記の文章で伝えたい内容は、本当は ”ものつくりを得意とする社風” という会社のソフト面、情報、つまり内容に重きが置かれているはずです。
であれば正しくは
❷「わが社の物作り遺伝子を後世に伝えたい」
が正解となるわけです。
ただこうして❶と❷の2つの文章を見比べてみると、”言いたいことはどっちでも伝わるじゃん”、となるわけです。
しかし、こうして『DNA』とか『遺伝子』とか『ゲノム』とかの意味が拡大解釈されたり、転用されてたりし続けるうちに、
理科的に正しい理解が困難になってしまいます。
また別のたとえで表現すると、
染色体やDNA ← 物質 ≒ カセットテープ
遺伝子 ← 情報 ≒ 記録内容
とも言えます。
たとえが古くて恐縮ですが (-_-;) 、昭和世代の方ならイメージいただけるかと…。
音楽を聴くときに重要なのは、カセットテープそのものではなく、カセットテープに記録された音楽情報、ですよね。
遺伝子の話でも同様、大事なのは親子で伝わる特徴(遺伝子)であり、DNAという物質それ自体は情報としての意味はないわけです!
2.ヌクレオチドから小さい順に組み立てていくと…
動画では染色体からヌクレオチドに向かって、大きい概念から小さい概念へと説明をしています。
そして後半では復習のため、小さい概念から大きい概念へと説明しています。
つまり、
小さなヌクレオチド分子が集まってDNA分子を作る
↓
DNA分子が任意に並ぶと、遺伝情報の意味を持った遺伝子となる
↓
そのヒトに必要な遺伝子のセット一揃いがゲノムとなる
↓
ゲノムは染色体というひも状の化学物質の上に乗っている
という具合です。
減数分裂等のキーワードもわかりやすさメインでアニメーションを用いて”概説”しています。
遺伝関連のキーワードを理解したくて、検索してもいまいち小難しくてあきらめていた方、どうぞ本動画を参照してみてください!